先日 nginx をソースからインストールして入れ替えたのだけど、その時に SPDY もついでに入れておいた [01] 。ちなみに SPDY に関しての説明は『SPDY の紹介と nginx で SPDY を使う方法 – HeartRails Tech Blog』にお任せ。
なんて感じで設定するのだけど、WordPress 管理画面には IP アドレスと Basic 認証を使ったアクセス制限もしていて、それらを考慮した設定ファイルを作ることになる。まずは SSL でアクセスするための前準備として『オレオレ証明書で WordPress 管理画面へ SSL 接続する | 脳無しの呟き《土鍋と麦酒と炬燵猫》』を参考にしてオレオレ証明書を作る。自身しか利用しないことが前提の話なので、オレオレ証明書で問題なし。
これまでアクセス制限に関しては nginx.conf に記述していたのだけど、SSL でアクセスすることになるので、そちらの記述は別途作成した ssl.conf に行うことになる。挙動としては WordPress へのログイン画面(wp-login.php)と管理画面(wp-admin 以下のディレクトリ)へのアクセスに関して SSL 接続することにして、それ以外は通常の http 接続にするという感じ。
まずはメインである nginx.conf の修正。アクセス制限してた箇所をコメントアウトして、ログイン画面および管理画面のアクセスは強制的に https で接続するように誘導する。関連ファイルは /wordpress/ ディレクトリ以下にあると仮定。
server { listen 80; server_name yourdomain; location ~ ^/wordpress/(wp-login\.php$|wp-admin) { rewrite ^/wordpress/wp-login.php?$ https://$host/blog/wp-login.php last; rewrite ^/wordpress/wp-admin/(.*)?$ https://$host/blog/wp-admin/$1 last; # satisfy any; # allow xxx.xxx.xxx.xxx.; # deny all; # auth_basic "Login"; # auth_basic_user_file /var/www/html/.htpasswd; # access_log off; # proxy_pass http://$host.backend; break; }
そして次は SSL 接続用に作った ssl.conf の記述。
# HTTPS server server { listen 443 ssl spdy default_server; // SPDY を有効化 server_name yourdomain; ssl on; ssl_certificate /var/lib/nginx/nginx-ssl/xxx.crt; ssl_certificate_key /var/lib/nginx/nginx-ssl/xxx.key; ssl_session_timeout 10m; ssl_protocols SSLv2 SSLv3 TLSv1; ssl_ciphers ALL:!ADH:!EXPORT56:RC4+RSA:+HIGH:+MEDIUM:+LOW:+SSLv2:+EXP; ssl_prefer_server_ciphers on; if ($uri !~ ^/wordpress/wp-) { rewrite ^(.*)?$ http://$host$uri last; // 該当ページ以外への SSL 接続は http に } location / { root /var/www/html; index index.php index.html index.htm; proxy_redirect off; proxy_set_header Host $host; proxy_set_header X-Real-IP $remote_addr; proxy_set_header X-Forwarded-Proto https; proxy_set_header X-Forwarded-Host $host; proxy_set_header X-Forwarded-Server $host; proxy_set_header X-Forwarded-For $proxy_add_x_forwarded_for; } location ~ ^/wordpress/(wp-login\.php$|wp-admin) { satisfy any; // 複数の制限選択肢がある場合のおまじない allow xxx.xxx.xxx.xxx; // 固定 IP からのアクセスは無条件で認める deny all; auth_basic "Login"; // 固定 IP 以外からのアクセスは Basic 認証で対応 auth_basic_user_file /var/www/html/.htpasswd; access_log off; proxy_pass http://$host.backend; break; } location ~ \.php$ { root /var/www/html; fastcgi_pass 127.0.0.1:9000; fastcgi_index index.php; fastcgi_param SCRIPT_FILENAME $document_root$fastcgi_script_name; fastcgi_param HTTPS on; include /etc/nginx/fastcgi_params; } }
これでログイン画面および管理画面へのアクセスを制限しつつ、それらへのアクセスは SPDY が有効な SSL で接続できるようになった。SPDY 接続していることは以下でわかる。URL 欄にある緑の雷マークが SPDY 接続できているという証明。Firefox なら『SPDY indicator :: Add-ons for Firefox』をインストールするとそれが表示されるようになります [02] 。
というわけで、管理画面へのアクセス制限とそれらへの SSL 接続を行うという設定は終了。SPDY を導入したから速くなったかどうかはわからないけど、まぁそこは管理画面という軽いコンテンツだからかもしれない。なんにしても、制限をしつつ特定のページにのみ SPDY でのアクセスを実現できたのでヨシとする。
References
↩01 | 『yum は止めて nginx をソースからインストールする | 脳無しの呟き《土鍋と麦酒と炬燵猫》』を参照のこと。 |
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↩02 | Google Chrome なら『Chrome Web Store – SPDY indicator』を。 |