海老名市立図書館のサイトポリシーがおもしろい


2015/10/01(木)にリニューアルオープンした海老名市立中央図書館1 に合わせ、海老名市立図書館のサイトもリニューアルしました。

武雄市図書館に続くCCCが指定管理者となった(問題満載で)話題の図書館2 なのですが、ここではそのサイトにおけるリンクポリシーがおもしろいということで、こちらにフォーカスしてみたいと思います。ポイントとなる箇所は2点あります。

「私的使用のための複製」や「引用」など著作権法上認められた場合を除き、無断で複製・転用することはできません。

『著作権について』サイトポリシー | 海老名市立図書館

まず適切な引用に関する定義を『著作物を「引用」する際のルールとは? | 僕と彼女と著作権 | Web担当者Forum』より抜粋。

  1. 公表された著作物であること
  2. 引用する側の著作物と、引用される側の著作物とが明確に区別されて認識できること
  3. 前者が主、後者が従の関係があること
  4. 出所の明示をすること
  5. 著作者の意思に反する改変をしないこと

ポイントは、上記を満たせば「著作者の許可を取る必要はない」というところ。難しいようにも見えますが、ちゃんと考えてコンテンツの構成を考えることができれば、黙っていても条件クリアとなるはずです。

ウェブサイトにて公開されたコンテンツは「公表された著作物」ですし、適切なhtmlタグ(blockquoteやqなど)を使用してマークアップすることで、引用状態も明確になります3

また、引用する文章を的確に絞ればコンテンツの主従関係も問題ないはずです。「出所の明示」は、引用元のコンテンツに対してその場所を示すリンクを貼ればよいでしょう。改変は話になりませんので、そもそもそのようなことをしてはいけません。

つまり、引用に関する箇所に関しては、海老名市立図書館のサイトポリシーは至極真っ当なものとなっています。問題はそれを踏まえた上での『リンクに関して』です。

本サイトのトップページへリンクを行う場合、「info@ebina-library.jp」までリンク元のURLを事前にご連絡ください。
リンクを設定する場合には、海老名市立図書館ホームページへのリンクである旨を明記してください。

『リンクについて』サイトポリシー | 海老名市立図書館

なお、以下に該当するwebサイトからのリンクはお断りいたします。

海老名市、海老名市立図書館、ならびに海老名市立図書館の指定管理者を誹謗・中傷するwebサイト
法令や公序良俗に反する情報を提供するwebサイト
独自のフレーム内に本サイトを取り込んだ形など、海老名市立図書館ホームページであることが不明確となるwebサイト

『リンクについて』サイトポリシー | 海老名市立図書館

適切な引用を許可しつつ、リンクに関して制限が入ること自体が意味不明です。適切な引用においての著作者への許可は必要ないはずです。

例えば今後、海老名市立図書館サイトにおいて告知されるイベント等があったとして、それをリンク付きで紹介するにも許可を得る必要があるのでしょうか。時間ロスによる機会損失を生み出しませんか、そのルール。

また、サイトポリシーにある トップページへの という文言が気になります。各記事等に関するリンク許可は必要ないのでしょうか。この点、かなりおかしいのですが、根本的な問題として「リンクされることへの拒絶の是非」という問題があります。仮にそれが誹謗中傷を含むコンテンツからのリンクであっても、そのリンク行為そのものを拒絶することはできません。

インターネット上におけるリンクに関する問題は2000年初頭にはすでに議論され尽くしてる感もあるのですが、まさか2015年終盤にもなって、このようなサイトポリシーを掲げる公的な機関が出てくるとは考えてもみませんでした。

誹謗中傷を行うようなサイトがあったとして、それはリンクする行為とは切り離して考える問題です。もし事実にも基づかない内容での誹謗中傷を行うような失礼なサイトがあった場合、それはリンク関係なく適切な対応が求められる案件です。リンク行為そのものは、インターネット上にて活動するあらゆる人が行使できる権利です。

むしろ問題は、更新履歴や修正箇所の告知なくコンテンツを訂正する引用元サイト側にあります。ニュースサイトの記事におけるいわゆる『全文引用』であるとか、魚拓という仕組み(スクリーンショット等)を使ったコンテンツ引用が発生するのは、そのような問題があるからです。正しい情報を各方面に周知してもらうためには、お互いの信頼関係も必要です。正しい引用を行うには、信頼される元コンテンツの存在が必要です。

もしリンクされることを拒むのであれば、そのリンク元からのアクセスを弾くような設定をサーバに対して行って下さい。それでリンク元からの流入が防げたとして、そのリンク元で表現されているコンテンツ内容には変わりがないことを自覚して下さい。それは単に「あーあーきこえなーい」をサイト運営で行っているということです。

このような理由を以ってして私は海老名市立図書館サイトポリシー等を引用しつつ、それを許可してもらうような対応はせず、このコンテンツを公開します。

リンクを行うかどうかの決定権は私自身にあり、それを自身以外から妨げられることは許容できません。引用を許可しているのであれば4 、リンク行為そのものに言及するのではなく、別項目にて誹謗中傷等に関する対応を記載して下さい。

それができないなら、ウェブサイトの公開とかやめちまえ。

  1. お知らせ | 海老名市立図書館』を参照のこと。 []
  2. 「武雄市図書館の時はド素人でした」 海老名市でオープンした2館目のTSUTAYA図書館は何が違う?』を参照のこと。 []
  3. 見た目の問題としてのCSS等での修飾は必要でしょう。 []
  4. これもおかしい話ですが流れとして。 []