あの武雄市の市長さまがいきなり『すべての人にプログラミングを学んでほしい : 武雄市長物語』というエントリをアップしたのだけど、彼の云うところの『プログラムを学ぶ理由』としてこのようなことが書かれていた。
プログラミングできれば、国境越えられるから(既存言語に依存せず生きていけるから)
既存言語に依存せずという文言は、国境を超えた先で使用されているメインの言語を操るスキルなど必要ないとでも考えてのことだろうか。
プロジェクトに参加してプログラムに携わるということになると、メンバとのコミュニケーションが発生するし、コードに対して付与するコメントなども共通言語で記述する必要があるだろうし、現在でも最新のドキュメントをいち早く読むには……などと考えだすと「何を言っているのだこの人は」という感想しか。
もしかして、プログラマというのはみなひとりで何かしらやっているとでも思っているのだろうか……とか書いていて思ったのだけど、これって『個人』としてのプログラマのことを書いているのかな。国境を超えるというのはネット経由で自身のプログラムをお金にして生きていける、ということを書いているのな? 最初に読んだ時、リアルに国境を超えるのかと思ってたわ。
「どこかしらの制作会社に潜り込んで世界相手にアプリで勝負できるようになる」と、そのように書いているのかもしれない。でもなぁ、どこに住んでもというオバマ大統領の文言を引用してるしなぁ。日本国内のどこでもという意味だろうか。
ちなみにRubyでお馴染みのMatzさんを紹介してるけど、彼はRubyという言語そのものを設計した人であって(無論他でも優秀な方なのだけど)、どうにも釈然としませんな。文章で書かれている内容と例として取り上げた対象内容が合致してない。
だめだ、やっぱり何を言いたいのかさっぱりわからん。単純に「論理的思考を養うため」だとかそういうことであればそれはそれで良いのではと思うけども、ぶっちゃけプログラミングには適正のあるなしが存在すると思うよ。誰も彼もが学んだところで、みなが同じような思考にはならんですよ。
でもって、実の本題は他にありましてですね。
冒頭にも書いた「いきなりこんなこと書いてどうした」のトコロなのだけども、武雄市長は2012年の武雄新図書館構想発表記者会見にて、以下のようなことをおっしゃてるのですね。
大体ね、公立の図書館は駄目なんですよ。
なんか技術とかあったり、哲学とかあったり、もうあれ見た瞬間に行きたくなくなるもんね。
うん、今度は本当に行きたくなる図書館を作ります。
そうして完成した現武雄市図書館での情報工学系書籍の扱いはどうなっているとかというと、なぜか『建築』のジャンルに紛れていたり『一般書籍』のジャンルに紛れ込んでいたりするわけですね [01] 。
図書館ができてから2年で言っていることが180度変わっているわけですが、長期スパンで市政を構築していく役割もあるであろう首長がその時その時の状況でころころ意見変節するのはどうなのよとかも思ったりするのでありました(しかもそれが形として残ってしまっている)。ちなみに現状の図書館がどのようになっているかは、『詳細検索 武雄市図書館』で検索すると状況把握できるかもしれません。
ああ、ちなみに武雄市図書館での分類は他の図書館と違って独特なので注意しないといけません。分類に関しては@keikumaさんが作成した『[その他] 武雄市図書館分類表 2013-09-23.pdf』を参照すると良いでしょう。
とまぁ、かのエントリを読んだ感想としては上記のような感じではあるのですが、最後にもう1つ気になったトコロを。
プログラマーが足りない。これは現在もそうだけど、未来にわたって深刻な状況になるのは必須と顔を青ざめて言います。
深刻な状況になるのは『必至』なのだと思いますが、すでにネット上で指摘があるにはあってでもそんなことを突っ込む人の発言は読んでないのだろうなぁだとか思いつつ、自身の書いたことを読みなおしたりしない人なのだろうなぁとかも思いつつ。
誰だってミスはあるけどなかなか修正されないのよね [02] 。それにしてもこれに限らずで日本語の扱いがおかしいと思うことも多い方ですので、余計に大丈夫かと考える次第なのでありました。
References
↩01 | 『武雄市図書館に行ってきました – Togetterまとめ』や『武雄市図書館の分類が分かりにくいという話題 – Togetterまとめ』を参照してください。 |
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↩02 | 念のためのスクリーンショットはこちらです。 |