Facebook には佐賀県武雄市役所のアカウントがあって、それ関する雑感については少し前に『地方自治体と Facebook と個人特定に関する話 』で書いた。武雄市の場合、昨年のニュースによれば完全移行を目指すという話 [01] 。
Facebook に移行するとは云え、閲覧する側となる武雄市民(無論どこの誰でもなのだけど)のすべての方がアカウントを所持しているわけではないので、サイトの閲覧には制限が掛かっていないことは大前提。実際に各コンテンツはアカウントを所持していない人でも閲覧できるのだけど、どうも Facebook 側にトラブルがあったようで Facebook にログインしないとコンテンツの閲覧ができなくなってしまった。
さすがに武雄市側も把握はしているようで、Twitter の公式アカウントでも告知はされた。
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ただ問題は、こういうトラブルが発生した時に Twitter の公式アカウントを確認すれば良いとすぐに気が付くような方がどれほどいるのかという話。Facebook のアドレスしか知らないけれどアカウントを所持していない、そして Twitter に気が付かないという方の場合、申請書類等のダウンロードが必要なパターンが発生したらどうすれば良いのだろう。Google 等で検索して武雄市ドメイン(旧サイト)へ移動できるのだろうか……という疑問が湧くのです。
他社のサービスに依存した行政サービスの在り方が問われる事例になるかと考えるのだけどうだろう。回復するのがいつになるのか不明なため、これが深刻なトラブルであった場合、業務に支障が出たりはしないのだろうか。他社のサービス(この場合の規約は Facebook のものも当てはまるはず)を利用して何か問題が起きた場合、どのようなトラブルシューティングができるのか。今回は平日だけども週末にこれが発生したらどうするのか。お盆や年末年始等に発生したら。「行政サービスは停まっちゃいけない」と言ったのは確か、武雄市長ご本人 [02] 。
国内で契約した事業者に独自ドメインとサーバの管理を任せていれば、トラブルが発生しても迅速に対応することは可能でしょう。しかし、海外の SNS サービスとなるとどこまでの対応をしてもらえるのかは不明。アメリカに問い合わせる必要があるようなケースでは、時差の関係もあって即時対応されないこともある。アクセスできなかったことによる閲覧者からのクレームがあった場合、「海外のサービス使ってますしこういうこともありますから」とは言えないでしょう。「無料で使わせていただいてますので、そこはあり得る話として復帰するまでお待ちください」とも言えません。
信用信頼できるサービスを提供するということがどのようなことであるか、改めて考えてみる必要があるのではないか。武雄市の事例を参考に、Facebook の利用を念頭に入れだした自治体が複数あると聞きました。良い部分だけを見ていると痛い目を見るかもしれません。ところで、今回のトラブルはいつになったら解決するのだろう。私は困らないけれど。
References
↩01 | 『「市長がはまっている」 佐賀県武雄市、市のページをFacebookに完全移行へ – ITmedia ニュース』を参照のこと。 |
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↩02 | 『平成24年6月定例会 6月11日 一般質問 【質問順位 1】 宮本栄八議員 – Togetter』を参照のこと。 |