先に書いておくと私は改憲容認派だけど、とにもかくにも本格的に面倒くさい。この件に触れただけで容認派および反対派のどちらからもあれこれ言われるというのはどういうことだ。今回の衆院解散総選挙の議論としてすでにメディアを含めて「みなさまの目に留まる事象となっている」のだから、スルーしたって仕方なかろうに。
というわけでまずは自民党支持者に対して書いておくと、「改憲草案は4月から出てたのに今になってバカじゃね」という話。メディア等で騒がれないとその存在を知らない人はたくさんおるわけで、誰も彼もが日常生活において常に何が起きていてつぶさにチェックしてとか、やってるわけないです。断言するけどね [01] 。
選挙ってそもそも、そういうことを日常関わってられないから投票することで誰かに委任するんだし。自身が知ってることは相手も知っていて当然であるとか幻想ですよ [02] 。知らせるためには大げさなほどの告知が必要。
それも踏まえてなんだけど、逆に現在党首討論等にてこの改憲草案内容に関してあれこれ言ってる政党の方々。今現在それを持ち出してくるのは、他に足を引っ張れる状況じゃないからなのでしょう [03] 。このようなことは選挙になれば当たり前ではあるけれど、この手の話はいつもお互い様。たとえ筋が違うしバカじゃねぇのと言ったところで、これに乗ってしまう方々は必ずおるわけです。うまいね。
この件に関して問題なのは、まだまだ草案であってこれからマッシュアップされるものであるということの認識が周知されていないことが1点。憲法改正に関しては、衆参各議会において国会議員の 2/3 の賛成があって初めて発議され、そこからやっと国民に提案されて国民投票がなされることになり、そこで過半数の賛成を得ないといけないということが(改めて)周知されていないことが1点。そうして、仮に憲法改正がなされたとして、政権与党が変わればその党の方針に従って独自解釈できるのだけどという指摘が表立って出てこないことが1点 [04] 。
上記のような話もしないとダメなのがメディアの役目じゃないのとか。
おもしろいのは、この改憲草案を読んで「海外逃亡しないと!」だとかアレコレ書いてテンパってる方々。草案レベルなのだから、そこまで切迫する考えをお持ちなら是非意見を出してより良いものにするよう行動するべきだと思うのだけど。
護憲派な方々で「一字一句変えるな」という方に関してはどうぞがんばってくださいというしかありません。ともかくこれを以てして「もうだめだ」とか書いてる方に対しては「あなたがダメなんじゃないか」と切り返しておくことにしたいと思います [05] 。
あと、草案なのに決まったかの如く書いて絶望してる方々って大丈夫なのか。国民投票になったら手が勝手に賛成に○を付けるという病気を患っているとかそういうことなのか。いくら改憲容認派な私でも、発議された内容に不服があれば反対に投票するんだけどね。『改憲容認=内容関係なく問答無用で賛成』だとか思われるのは心外も心外。
ていうかさ、今選挙の争点にするならそのうち1つはそんなことじゃなくて、「被災地の復興スピードを如何にして上げるか」なんじゃないの。なんだかもういろんなところで論点がズレてる気がしてならない。都内在住者としては都知事選も罰ゲームみたいな感じになっているし、自宅に届いた選挙公報読みながらどーすんだこれと。ぼすけて。