CCCと武雄市図書館の関わりで理解できたこと

もふもふあげさん 社会
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付かず離れず末席レベルの関わりではあるけれど、かれこれ1年以上チェックしている『武雄市図書館』の話。過去にはこのブログでもいろいろと書いてはいたのだけど、興味深い記事が公開されたので、その件。

CCC社長自身の話はどうでも良いのだけど、武雄市図書館に関するコメントがあった。強調部分は私。

今は行政の方があちこちから毎日見学にいらしていて、「うちでもやってくれ」「見に来てくれ」と、行列をつくっている状態だ。僕らがやるとコストが下がるというのもある。すべてセルフPOSだし、実際には本のレンタル屋だ。要するに「図書館なんてものはない」と(会場笑)。名前は図書館だが、本のレンタル屋だ。

カルチュア・コンビニエンス・クラブ増田宗昭社長「企画という生き方」あすか会議2013 | GLOBIS.JP

会場に来て爆笑してるレベルの方々が「図書館をどのように考えてるか」という話は横に置いて、ともかくはこれで『CCC増田社長は武雄市図書館を図書館としては捉えていない』ということが公に判明したわけです。これはある意味とても収穫で、私企業としてのCCCがどのように図書館と向き合って行くのかという方針も判明したということ。

私企業が何かしら事業を行うにあたり、考えていることはそれぞれだと思うので、この発言そのものは別段構わないのではないかと思ったりしました。いいんじゃないですかね、書籍も対象にしたおしゃれなレンタル店舗を構えるって。

だからこそ考えるのだけど、それならそれで武雄市は図書館という言葉を使うの止めて「書籍を含めたカフェ付きレンタル施設を始めました」と言えば良かったのですよ。はっきりと「これまでの図書館は不便だし儲からないから自治体の足かせになるわけで、それを止めてテコ入れを行う意味での改革です」と言えば良かった。

中途半端に「図書館」という言葉を全面に出すから、ややこしいことになっているのですよ。

無論、そのように宣言したとして「図書館を止めるとはどういうことだ」的な話であるとか、「私企業に国費まで投入 [01] して書籍を含めたレンタル施設を作るとはどういうことだ」的な話は出てくることでしょう。それはそれとして別問題とすれば、「図書館そのもの」に関する細かいアレコレは一気に消失しますね。

だって図書館なんて亡くなったのだから [02]

CCC増田社長のコメントを受けての個人的な感想はこれです。今後、CCCに図書館運営を委託しようとする自治体に関しては「公立図書館運営は止めます」という宣言をしてほしいものです。図書館でなければ何も言いません。せいぜい「予算厳しくて運営できなくて大変ですね」くらいのお悔やみを言う程度になります。これであれば脱法的な手続きに関しての疑念は、その自治体に関わる方々がチェックすれば済みます。

無論、自治体が企業誘致という形で『私設図書館』的なもの——『大宅壮一文庫』のようなもの——を作るというなら歓迎できるかもしれない。大宅壮一文庫は以前に仕事で利用させてもらったことがあるけれど、あの高い利用料が当たり前であると思わせてくれるくらいのクオリティでありましてですね [03]

「図書館という形態に風穴空けた」などというのは幻想で、「図書館潰しました」という話なわけで、それを事実として伝えれば良かったのだということが今回よくわかりました。なぜにそこまで『図書館』にこだわるのかな。今となってはそこが最大の疑問点になっています。

ちなみに図書館でないのであれば、ですが、武雄市現市長のおっしゃる「嫌なら来るな」も納得できます。個人的にはTポイントカードも所持していないわけで今後も利用する気はないのだから、そのような施設には行かないだろうし。もうちょっとはっきりとしたスタンスで運営すれば良かったのかも。

References

References
01 武雄市図書館のTSUTAYA化に国費2億円の投入が決定してしまったのでより広く議論しませんか? #takeolibrary – Togetter』を参照して下さい。
02 誤字じゃないです。
03 あの図書館でカフェ併設とか絶対にあり得ないけどね。
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