大阪にいたときはそうでもなかったのだけど、東京に来てからは宴会でも何でもない普通の食事レベルでさえ事前に予約を入れることが増えた。例えばお昼時のオフィス街で4名でランチをするときであるとか、仕事帰り3名程度で飲むときに一応電話して席を確保しておくであるとか。
気心知れたメンツであればお店を探してうろうろするのも構わないのだけど、別のメンツによってはすぐお店に入れるよう手配しておいた方が良いこともあるわけで。滅多に一緒にならないゲストがいるとか。ああ、お昼時だと時間が決まってるから探していられないというのもあるな。
東京は特になのだろうけど並ばないと入れないお店が結構あって、一人であればそういうお店は却下するのだけど、なかなかそういうわけにいかないこともあるし。だからまぁ、上京してからは「暇そうだから大丈夫だろうな」とは思いつつ、念のため電話しておくことも増えた感じ。実際に行ってみたら、自分たちだけだったということもあるけどね。
予約するときは当然のこととして『訪問時間』『人数』『名前』を伝えるのだけど、例えば高層ビルに入っているレストランなどであれば『窓際の席があるかどうか』を確認したりもする。誰を連れて行くかによるけれど、景色を観ることができれば楽しいこともあるのだから当然。
最近では喫煙するかどうかをお店側から問われることもあるけれど、問われない場合はこちらから『禁煙席』をお願いすることもあるかな。メンツによっては逆もあって、むしろ昨今の状況だと喫煙する人がいるケースでは必ず『喫煙席』があるかどうか確認しておいたほうが良いパターンも。
私が予約するなら何事もスムースに進むよう手配はしたいと思っているので、例えばメンツの中に車いすの人がいるなら必ず「車いすの人間もいますが大丈夫でしょうか」と確認します。先に確認しておけば、先方もその準備ができるだろうし、スムースにサービスを受けることもできるしょう。だから、そうする。
そういえば某社でも若干身体の不自由な女性がいるのだけど、部内全体の宴会等で参加してもらうとき、幹事が急な階段を上がらないと入店できないというお店を予約しちゃったときは「幹事としてどうなの」とか思ってしまったな。これは私ともう1名でサポートして入店したけれど、幹事は事の重要性が認識できていなかったようでげんなり。
こういうのって怖いんですよね。例えば最悪私が彼女をおぶって入店しても良いのだけど、もしこれで私が足を踏み外したらどうしようと思うのです。彼女場合、時間を掛ければ階段を上ることはできるので、先に上ってもらって私が後ろから落ちてきても良いように狭い階段をブロックしてとか。そういうことをすごく考えないといけない。
日本では現状、残念ながらどこに行っても不安なく誰もがサービスを受けることができるような状況ではなくて、誰かしらの協力なくしては利用できないバリアフリーとはほど遠い店舗があって。残念ではあるけれど、状況によっては諦めざるを得ないケースというのはかなりあると思ったり。
だからこそなのだけど、せっかくお店の情報を事前に調べて予約するのだから、こちらの状況は的確に伝えないとダメなのだと考えるのです。飛び込みで嫌な思いをするならまだしも、事前に確認するのだからそれくらいやれば良いのに。確認することで、予約する側される側の双方が気持ちよくなることができれば良いわけで。
私からすれば予約時に「禁煙席でお願いします」というレベルと「車いすの人が1名いますが大丈夫ですか」という確認レベルは同列。お店に行ってすぐ席に通してもらえて席に座って楽しめるということが重要。ちょっとしたやり取りをさぼったために不快な思いをするのも嫌だし。
目指す理想の社会は「そんなこと聞かなくても大丈夫である」というあり方なのだろうけど、現実がそうでないのだから、まずはそれを意識しつつこれからどうしていくかを考えれば良いのに。というか、そうしていくしかないじゃないか。
『【Twitterで激白】乙武洋匡氏が車椅子を理由にレストランで入店拒否されたと告白 / レストランは謝罪と弁明 | ロケットニュース24』を読んだけど、予約の段階で一言確認すれば。自身が車いすであることを伝えるのが常識だとは思わないけど、先にも書いた通り「伝えておけばいろいろスムースに進むよね」ということなのだと思うのだな。
乙武氏の件に関しては、店舗の対応が失礼だとは思っていてサイトでの文章も日本語がおかしい感じでアレなのだけど、ここでもめたところで問題の店舗がバリアフリーな店舗に生まれ変わるかと言えばそんなこともないでしょうに。ぶつけられた言葉は失礼だったかもしれないけれど、私に言わせればこの件はどっちもどっちだよ。言葉の足りなさ勝負で店舗側が勝ってるけど。
あと、この件を受けて「これがイギリスだったら〜」的なこと書いてる人がちらほらいたけど、まず悲しいかな日本はイギリスじゃないし。同じような環境を望むなら、そうなるように運動しないとダメだよねということ。「現状を認識して社会を変えよう!」というなら賛同するけど、そうじゃないなら「だからどうした」という感想しか。
ともかくは、そんな難しいことは横において、予約するならこちら側の状況を伝えましょうということ。それで困ることなんてのはまずないのだから。