Windows8搭載タブレットを各家庭にて5万円で負担することになった、佐賀県は県立高校におけるICT活用教育の話だけど、発表当時からいろいろと議論はありました。タブレット購入費用の負担が重い家庭もあるだろう、というのが大きなポイントだったような気はする。
発表当時のニュースは『デジタル教科書 大きい負担 佐賀県の県立高校、教材のタブレット代5万円は自己負担、教科書費用は別途必要』とか『佐賀県、全県立高校でWin8タブレット導入へ:日本経済新聞』とかを参照。
そうして実践に入ったわけですが結果はこれ。
今年度から、すべての新入生が授業用のタブレット型端末を購入した佐賀県の県立高校で、参考書などの電子教材をダウンロードできないトラブルが相次いでいることがわかった。県教委によると、トラブルは全36校のうち34校で発生。電子教材の情報量が多いためとみられ、端末を使った授業の開始は当初予定より1か月遅れ、早くても5月中旬頃になる見通しという。
(中略)
生徒が授業中に教科書会社のサーバーからダウンロードしようとしたが、授業時間(50分)内に終了しない事態が続いている。県教委が調べたところ、名画などが多い美術、実験の動画が含まれる理科など、情報量が多い教材ほどトラブルも多いことが判明。生徒40人がダウンロードを完了するまでに8時間以上かかるケースもあるという。
冒頭でリンクした昨年の日経新聞における記事では、こんなことが書かれている。
当初の計画では、2013年度に36の県立高校全てでタブレットの活用を始める予定だったが、Windows 8タブレットとiPadのどちらを選定すべきかという検証が間に合わず、2014年度に持ち越した。2013年度は、5つの実証研究校を2校と3校に分け、Windows 8のタブレット520台とiPad520台をそれぞれ導入し、検証を続けてきた。
(中略)
「先生方は普段からWindowsを使っていることもあり、例えば1時間目の授業で使った教材を3時間目までに作り直すといった場合に、即座に対応できるWindowsタブレットの方が使いやすいとの声が上がった。
2013年度導入は難しいから本年度にずれたそうだけど、それだけ時間があって実際の現場ではトラブル発生して使いものにならないとか、どういうことでしょうか。先生が即時対応することができないくらいダウンロードに時間が掛かるとか、授業のスケジュールが結果的に1ヶ月遅れることになったとか。
実験自治体としていろいろやるのは結構だけど、ちょっとこれはひどくないか。いちばんの被害者は生徒だよ。次に5万円負担に同意した親御さん。ぶっちゃけ生徒側とすれば、のちのちネタになる経験してるとは思うけどね。
まぁでもネタはともかくとして、やはり杜撰は杜撰だよ。真面目に検証してる人もいるようだけど、時間掛けて検証テストもしたとか言ってこの体たらくなんだから「どうしてこうなった」とか云えるようなレベルじゃないです。
「失敗してもやり直せば良い」と言う人もいるのだけど、それはケースバイケース。前途多難だよなとか思いつつ、それほどまでに効果があるものなのですかと疑問符が脳内に飛び交うのでありました。