佐賀県武雄市長と高木浩光氏のやり取りから派生した困った話

武雄市における図書館の問題1 が取り上げられてから日数は経ったのだけど、Twitter 上では #takeolibrary にてまだいろいろと話が流れております。

話は遡って1週間ほど前になるのだけども、当時のやり取りにて武雄市長が高木氏を恫喝するという流れがありました23 。その後、高木氏は断筆宣言的な文章4 を残しつつ沈黙することになるのだけど、それを踏まえて。

先日、ハッシュタグ上にて @keikuma 氏が投じた質問があり、それに対する回答を @Soukaku 氏と私が呟くという流れになりました。

これは図書館で実務をやっている人に教えて頂くしかないと思うんですが、図書館カードの再発行をしてもらった時って、登録ID変わるんでしょうか。以前の登録を検索して、文字通り、カードを再発行しちゃうとID変わりませんよね。 #takeolibrary
@keikuma
MAEDA Katsuyuki

図書館カード紛失して再発行してもらった時の経験で言えば、図書館カードの番号とは別にユニークなユーザIDでシステム上は管理してる話を聞いた。(東京都某区の場合) #takeolibrary http://t.co/4TYlKjkE *YF*
@Soukaku
Soukaku

@ 某人からタレ込みがあったので伝言w>「知っているシステムでは、資料も利用者も内部に管理用IDがあって、資料、利用カードの番号は付け替え可能です。再発行のときは、カードを新しくしているところがほとんどだと思います」とのことだそうです。 #takeolibrary
@Dullahan
でゅらはん(マロール使い)

私の回答は、ダイレクトメッセージにてある方から代わりに書いて欲しいと依頼された内容です。私は図書館の関係者でも何でもないのでわかるわけもなく。メッセージを送ってきたのは Twitter を実名で利用している地方公務員の方なのだけど、「ちょっとしたことでも目が付けられるようになったら困るというか面倒なんですわ」的な雰囲気。特に表で回答したところで問題になるような内容ではないと思うしそれは伝えたのだけど、要は嫌になってしまったようで。

高木氏レベルになればいろんなところからサポートが入るだろうけど……ということで、私が代わりに回答することになった次第。今回の件に注目していて何かしら情報提供できるであろう方が、あのやり取りを見てしまったが故に書けなくなってしまったというのは理解できるのだけど、これはちょっと問題ではないのかなと感じたり。こうやってどんどん意見が言えなくなるような雰囲気のままあれこれが進むというのはヨロシクない。

聞く耳を持たない長が相手の実名と所属を把握して脅しを入れてくる可能性があるのなら、ちょっとした反対意見でも尻込みして言えなくなってしまう方というのは出てくるでしょう。結果的に長の周囲にはイエスマンしか残らないと。メッセージを送ってきた方には「何かあったらまた代理しますんで良いですよ」とは伝えたけど……インターネット実名制における最大のデメリットが、こんなところで発動してしまった。

ちなみに、現佐賀県武雄市長は日本フェイスブック協会会長だそうで。あーこわいわー。

  1. 先日は『佐賀県武雄市の図書館とTポイントカード導入の件 | 脳無しの呟き《土鍋と麦酒と炬燵猫》』を書きましたが『偏差値3でもわかる!武雄市図書館問題』が要約としてよくわかるかと思います。ざっと流れを知りたいという方は後者を。 []
  2. 自分用:ひろみちゅ先生×武雄市長 – Togetter』や『武雄市長、産総研に圧力をかけて高木浩光氏を呼び出そうと画策 | スラッシュドット・ジャパン IT』を参照のこと。 []
  3. 私の場合、今回の問題でいちばん納得できていないのはここ。 []
  4. 高木浩光@自宅の日記 – 「個人情報」定義の弊害、とうとう地方公共団体にまで』の追伸を参照のこと。 []

Google を辞めた人の日記を読んで思い出したこと

Twitter 経由で知って『Google 辞めました – アスペ日記』を読んだ。簡単に書いてしまえば夢と現実は違うということなのだけども、それはもう個人の考え方と要求される物事の相違から発生する結論。あれだけ自身の思いを書けるということは、とても素晴らしいことだと思うし(彼がどのような方かは知らないけれど)きっと大丈夫なのではないかなと思う次第。

おもしろいなと思ったのは、彼が Google のことを料理に喩えた箇所。

料理にたとえてみる。そのたとえで言うと、私は料理が好きな料理人で、機械の知識も多少はある、といったところだ。そして会社は、すごい機械やエンジニアを持っていることで有名な場所だったが、最近は料理にも手を出しているところだった。そして私は、この会社に入れば、最高の調理器具を使って最高の料理を追求できると思っていた。会社の目標も、最高の料理を作ることだと思っていた。

しかし、思い違いだったのは、会社の目標は「最高の自動調理機械を作ること」だった、あるいは少なくとも、自分にはそう見えたということだ。何もかもを機械に任せる。得られる食材を自動的に調べさせ、それらを自動的に調理させる。人間は、関わらなければ関わらないほどいい、と。

Google 辞めました – アスペ日記

昨年だったか、私は六本木ヒルズにて行われた広告関係者向けの発表会に参加したのだけど、その時にとある方(本国から来た方)のプレゼン中に出た喩え話がよく似ていてたことを思い出したのであった。彼は「日本には土鍋というものがあって、それでご飯を炊くとおいしいと聞きます」「しかし、それで炊飯するのは面倒ですし時間が掛かります」「ですから私たち(Google)はユーザが簡単においしく炊飯できる最高の自動調理器を提供して行きたいと考えています」というようなことをおっしゃっていたわけです。

それを聞いた私は「そんな高い炊飯器買わなくても土鍋で炊飯って簡単だし日本文化なめるな」と思ったわけで、その後の休憩時間中、お付き合いのある Google 営業の方を捕まえて「あのおっさんに土鍋の良さはわからんだろうし、ふざけんなと言ってたとお伝えくださいw」と半分冗談で絡んでみたりしたのでありました。

そういうことがあったので、先のエントリを書いた方の感覚がとてもまっとうで的確に感じたことを書いているのだよなぁと私も感じたりするのです。ご存知だったかどうかは知らないけれど、まさにそういうことをプレゼンで言ってたんですよとお伝えしたい。辞めるきっかけになったのは、この喩えで言えば「高級炊飯器目指してるのになんでタイマー機能がないんだよ」というような意見がスルーされたからということになるのだろな。萎えますね。

そもそも米が主食じゃないのに、迂闊に米に関する喩え話で笑いを取ろうとしたあのおっさんが悪い(違)。信念持ってそれを貫くというのはなかなか大変だけど、良い仕事に巡り会えますように。

Twitter のアカウントとパスワードが漏れた件における雑感

昨日に Twitter 上で流れた、アカウントとパスワードが流出したという件。私は流れてきたサイト1 の呟きを RT したのだけど、その後にあちこちで流れるようになり、アカウントチェック用のサイトを公開する方々も現れたという流れ。

問題の情報は Twitter からではなくて、外部のどこからかということだったのだけど、そもそも元情報からして「Twitter における一部アカウント&パスワードがどこからか漏れた」という内容が、一部で「Twitter から漏れた」という話にすり替わっていたようで、Twitter 社に迷惑を掛けるというとんでもないことになっていたということを知って驚いた。「Twitter の」と「Twitter から」は全然違うよ!

そうして検索するためのチェックサイトが出現して、それを紹介するブログがあちこちで記事にされたのだけどね。いや、そういうのを作成する人達はきっと善意でやってるのだと思うのですよ。元サイトが英語だし、そういうのを読まない人もいるだろうし。それでも読みに行けばわかるのだけど、最後の段落で「ブラウザで検索することにしてこのページ(5ページ)をチェックしな」的なことを書いてるくらいはわかると思うの。中学生クリアしてたら。

何を懸念しているかというと、「人の不安を煽って怪しいプログラム仕込んでおいてアカウントとパスワードを入力させるやつがいるかもしれない」という状況。何が怖いって、これがいちばん怖いんですよね。やばい噂が立って、それを利用して判断力をにぶらせて情報をタイプさせるという手法ってのは、すごく引っ掛かりやすい。「便利だーやったーありがとー!」で済ませるのは怖い。善意で作った仕組みでも、それが安全かどうか誰がチェックしてるのか。

こういう時は地味に、元のファイルを開いてちまちま検索するのが正しいお作法だと思った次第。そんなに手間掛かりませんし。今回、INTERNET Watch さんの記事が良かったなと思ったのは、そういう検索ツール使ったサイトを紹介するのではなくてリストファイルにリンクして紹介してた2 トコロですね。言葉を適当に改変して問題の所在をあやふやにしてしまったり、安易にチェッカーを紹介してたサイトはもう少し考えた方が良いと思う。へたすると二次災害が発生します。

問題になった部分は Twitter から漏れたわけではないし、どうもスパム系のアカウント情報だったらしいし、普通に利用している方々には問題がないということで良かったのですが、いろいろと気になってしまう流れになってしまった事件ではありました。というか、ちょっと便利だからってすぐに飛びついて紹介するというパターンを何とかしてほしい。そういうことができるのは検証能力がある人だけだと考える。

速報性より正確性を大事にしたいなと思う今日この頃です。私もやらかすことあるんだけど、そういう時はちゃんと訂正するということで自戒。

  1. 55.000+ Twitter usernames and passwords leaked』 []
  2. Twitterのパスワード大量流出か -INTERNET Watch』 []

佐賀県武雄市の図書館とTポイントカード導入の件

佐賀県武雄市と CCC が市の図書館における企画運営に関して基本合意を発表したのだけど、Twitter 上ではそれを批判する呟きが流れている。CCC というのは、TSUTAYA やTポイントカードで有名な企業なのだけど、カードを所持している方はそれなりにいると思う。その企業と地方自治体が提携した1 のである。

具体的な話に関しては『高木浩光@自宅の日記 – 武雄市長、会見で怒り露に「なんでこれが個人情報なんだ!」と吐き捨て』や『武雄新図書館構想発表記者会見 #図書館 #takeolibrary – Togetter』を読んでいただきたいのだけど、ともかくは公の図書館における顧客管理を CCC に委ねるという話。そして問題は個人情報の取り扱い。

CCC におけるT会員の規約に関してはネット上で確認すると2点。『TSUTAYAフランチャイズチェーンレンタル利用規約』と『T会員規約』になるのだけど、前者は TSUTAYA を利用する際の規約なので今回参考になるのは後者。Tポイントカードは所持してるカード1枚で(提携している)諸々のサービスを利用できるのだけど、ネット会員にもなっているととんでもないことになる。

2. 当社が取得する会員の個人情報の項目
(1)「お客様登録申込書」の記載事項及びTログインIDお申し込み時の登録事項(変更のお申し出の内容を含みます)氏名、性別、生年月日、住所、電話番号、電子メールアドレス等
(2) ポイントプログラム参加企業における利用の履歴
(中略)
(4)ポイントの付与又は使用等に関する情報
(5)クレジットカード番号
(中略)

3. 利用目的
(中略)
(3)会員のライフスタイル分析のため
(中略)
(5)会員の皆様からのお問い合わせ、苦情等に対し適切に対応するため
(6)その他上記各利用目的に準ずるか、これらに密接に関連する目的のため
なお、個人情報の利用にあたっては会員が退会後も上記 (5) 記載の利用目的のために利用できるものとします。

T会員規約|CCC カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社

Tポイントカードを所持していてネット会員になって連動していると、個人のあらゆる情報を取得されて紐付けられる。そして、退会後もその情報は保持されてしまう。これに図書館での利用履歴が追加され、CCC 側に保存される。Tポイントカードを利用した行動はすべて紐付けられて保存され、どこかで利用されることになる。

導入構想においてはTポイントカードが必須となるそうで、提示しないでも利用できるという選択肢はないらしい。これが何を意味するかというと、「この本を借りた人はコンビニであれこれを購入している」や「この本を借りた人はネットであれこれを購入している」「この本を借りた人はこういうビデオを借りている」という紐付けが行われてデータに残るということを意味します。規約により、仮に退会しても。

これはまだ誰も書いていないと思うけども、逆にすでにTポイントカードを所持している人が図書館を利用していない場合、その人の「あれやこれを購入している(借りている)人は図書館を利用しない」という情報もデータとして残ることになります。図書館でのTポイントカード提示が必須なら、そういうことになります。利用しないが故に、自動的に民間企業へそういう情報が蓄積されるわけです。

図書館の自由に関する宣言』という文書があります。

第3 図書館は利用者の秘密を守る

  1. 読者が何を読むかはその人のプライバシーに属することであり、図書館は、利用者の読書事実を外部に漏らさない。ただし、憲法第35条にもとづく令状を確認した場合は例外とする。
  2. 図書館は、読書記録以外の図書館の利用事実に関しても、利用者のプライバシーを侵さない。
  3. 利用者の読書事実、利用事実は、図書館が業務上知り得た秘密であって、図書館活動に従事するすべての人びとは、この秘密を守らなければならない。

図書館の自由に関する宣言

私は知らなかったのだけど、このような発言も拾った。

タグつけてもっかい言っとこう。利用者の貸出履歴なんてさあ、警察が来ても出すな、裁判所の令状が出てから出せ、って図書館学の講座じゃ習うのに、なんでツタヤに差し出さんといかんのよ。 #takeolibrary

図書館での利用履歴がどれほど大事なものなのか、武雄市市長はまったく理解できていないということがよくわかる。民間企業のノウハウを利用して業務委託して独自の仕組みを構築するというのであれば、多少は理解する。しかし、発表から考えるにそういうことはやらないようだ。民間——個人情報収集を売り上げに繋げている企業——と提携してその仕組みに乗るということであれば、話は違う。

武雄市だけの話であれば無視しても良い(ぶっちゃけ他人事で済ませます)が、このようなことが『先進的事例』として他の自治体に飛び火することを恐れます。地デジにおける B-CAS カードが登録しないでもよくなったのはなぜか、そういうことも考えてみないとダメなのではないか。読書というのは個人の信条、趣味嗜好や心情を如実に表す行動なのに、それが個人情報ではないと断言してしまう武雄市市長の放言には呆れるしかありません。ましてや民間企業に委ねることによって他所での行動まで紐付けられることになれば。

武雄市市長は『武雄市長物語 : 図書館貸出情報の扱い、ご安心ください!』にて「もうTwitterは議論する場じゃ無いよね。2ちゃんねる化してる。その点Facebookはやはりまともでしたね。やっぱり、実名が一番」とか書いておりますが、この件に関してはまた別の話として書いてみたい。プライバシーマークを取得していれば問題ないというのは、一昨年の Librahack 事件でも思い出してみると良い。それにしてもここ数年、図書館絡みで個人情報に関する問題が表沙汰になるのはなぜだろう。

私の住んでいる地区の自治体がこのようにならないよう、願うよ。

  1. 武雄市とカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社の武雄市立図書館の企画・運営に関する提携基本合意について』 []

YUKI のソロ 10 周年記念ライブへ行ってきた

昨年末の抽選で当選してから5ヶ月ほど待った今日は、YUKI のソロ 10 周年を記念する東京ドームでのライブ。天気が崩れるとのことだったけど、傘をさしたのはグッズ購入する時に少しだけ。


今回のお題は “SOUNDS OF TEN” 。


上京してから 10 年以上になるけれど、東京ドームに入るのは初めて。阪神ファンが野球観戦にも行ったこと無いのに、初めて入場した東京ドームで座るのが1塁側2階席とか。初めてはレフトスタンドにしておきたかった。でまぁ、近くには何度か行ったことはあって、そのうち1つは JCB ホールで行われた、これまた YUKI のライブだったということを思い出した(確か five-star 発売後のライブ)。

彼女のライブに行ったらタオルケットだけは買うことにしているのだけど、売り場に並ぶ列が長い。開場 15:00 ということだったのでそれより少し前に到着したのだけど、どんだけ並ぶねんと。誘導がスムースだったので時間は掛からなかったけども、入場してから知ったのは、ドーム内にも売り場があったこと。これを知っていたら、きっと傘を使うことはなかったような。ちなみになぜかジャイアンツグッズ売り場も開いていたのだけど、ジャビット人形を買ってる人がいて少し笑った。


開演は 17:00 を少し過ぎてから。オープニングの映像がめちゃくちゃかっこいい。最近の他のアーティストのライブは知らないのだけど、映像にものすごくお金が掛かってるのがわかる。昨年観に行った代々木体育館でもそうだったけど、映像を使ったパフォーマンスは声が出る。そして相変わらず YUKI はかわええ。あれで 40 歳とかなんてこったい。

3時間を越える時はあっという間に過ぎて、アンコールは『プレイボール』『世界はただ、輝いて』『大人になって』『プリズム』の4曲。アンコール1曲目に入るときの掛け声は「(YUKI)元気はつらつ!」「(会場)オロナミンC!」でした。ちなみに新曲の『プレイボール』は、東京ドームでの公演が決まってから書いたそうだ。3曲やったあとに「一生歌える曲になりました」(要約)と言ってから始まる『プリズム』では少し目が潤んだりした。

何曲やったのか数えていなかったけど、今回のライブは DVD になるそうで。それを踏まえてスクリーンには会場の様子もたまに映るのだけど、編集されなかったら私も入っているかもしれない。スクリーンに入っちゃったようなので、これは DVD を買えということなのか。写真など撮られることがあまり好きでない私なので、今のところは記録に残る映像の最新版がこれになるかも知れぬ。私が死んだらここから画像を。

毎度おなじみ変な踊りもやって満足した帰り道は晴れていて、大きな月を観ながら歩いた。唯一出掛けた GW 最終日は、とても楽しい日になった。